遺族年金とは?学校で教えてくれない大切なお金の話。

こんにちは、フクキチ(@fukukiti69)です。

突然ですが、皆さんは年金制度を知っていますか?

年金と聞いたら、老後に受け取れる国民年金や厚生年金といった老齢年金を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

実は、 年金には遺族年金制度というものがあり死亡保険としての機能も備わっています。

あなたが死んだ時に、残された家族へ年金からお金が支給されるのです。

今回は、その遺族年金についてのお話です。

 

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目次
  1. 知らなきゃ損する遺族年金とは?
  2. 国民年金加入者が亡くなった場合「遺族基礎年金」がもらえる
  3. 厚生年金加入者が亡くなった場合は「遺族厚生年金」がもらえる
  4. 保険料に「未納」があると遺族年金がもらえないかも?
  5. 遺族年金だけで生活費は足りる?もしもの為にシミュレーションしておこう


知らなきゃ損する遺族年金とは?

遺族年金とは、 国民年金または厚生年金に加入している方が亡くなった場合に残された家族に支給される年金制度 です。

遺族年金には2種類があります。

  • 遺族基礎年金
  • 遺族厚生年金

国民健康保険加入者が亡くなった場合は「遺族基礎年金」が支給され、厚生年金加入者が亡くなった場所は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の両方が支給される仕組みとなっています。

遺族年金の仕組みは少々複雑です。

「遺族年金は誰がもらえるのか? 」
「いくらもらえるのか? 」
「いつからいつまでもらえるのか?」

について一つひとつ整理していきましょう。


国民年金加入者が亡くなった場合「遺族基礎年金」がもらえる

20歳以上60歳未満の国民全員が国民年金への加入を義務付けられています。

この国民年金に加入している方が死亡した場合、残された家族は遺族基礎年金を受け取ることができます。


遺族基礎年金は誰がもらえる?

遺族基礎年金を受け取ることができるのは、 亡くなった方によって生計を維持されていた「子」のある配偶者(夫、妻)、または「子」 となります。


この場合の「子」というのが、

  • 結婚していない18歳未満の子
  • 結婚していない20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

「生計を維持されている」というのが、

  • 配偶者の年収が850万円未満
  • 亡くなった方と同居していた

という要件を満たす必要があります。

※別居している場合、「仕送りしている」「健康保険の扶養親族である」等の事項があれば認められます。


つまり、子どもがいない場合や子供が成人・結婚している場合は遺族基礎年金は支給されないということになり、子供がいる場合は子ども(末っ子)が18歳に到達する年度の末日(3月31日)までは遺族基礎年金を受け取れるということになります。


遺族基礎年金はいくらもらえる?

遺族基礎年金の支給額は、年間78万100円+子の加算額(1、2人目は年額22万4500円、3人目以降は7万4800円)を18歳に到達する年度の末日(3月31日)まで受け取ることができます。(※2019年6月時点)

遺族基礎年金
基本金 年:78万100円
18歳未満の子1人 年:22万4500円
18歳未満の子2人 年:22万4500円
18歳未満の子3人〜 年:7万4800円

分かりづらいので4人家族を例に説明します。

<家族構成>
・夫
・妻
・子ども(A君、5才)
・子ども(B君、2才)

国民年金加加入者の夫が不慮の事故で亡くなったとします。

夫は国民年金をしっかりと納めていたので、役所へ申請すれば末っ子が18歳に到達する年度の末日(3月31日)までの間は遺族基礎年金を受け取ることができます。

もらえる年額は、基本金と子ども2人分の手当を足した122万9,100円を受け取れます。

※遺族基礎年金の計算

・基本金:78万100円
・子ども(A君、5才):22万4500円
・子ども(B君、2才):22万4500円

 合計:122万9,100円

14年後、子ども(A君、5才)が19歳に到達する年度(4月1日)からは、子ども1人分の「22万4500円」の支給がストップします。

それ以降は、子ども(B君、2才)分の手当が18歳に到達する年度の末日(3月31日)まで支給されます。

※遺族基礎年金の計算

・基本金:78万100円
・子ども(B君、2才):22万4500円

 合計:100万4,600円

下記、子ども1〜5名の場合の遺族基礎年金が給付されるシミュレーションを年額・月額でまとめてます(↓)

国民年金加入者
(自営業、フリーランス)
18歳未満の子1人 年:100万4,600円
月:約8.4万円
18歳未満の子2人 年:122万9,100円
月:約10.2万円
18歳未満の子3人 年:130万3,900円
月:約10.9万円
18歳未満の子4人 年:137万8,700円
月:約11.5万円
18歳未満の子5人 年:145万3,500円
月:約12.1万円

※遺族年金の額は令和1年度のもの。最新の情報は日本年金機構のホームページでご確認ください


子どもがいない場合は「寡婦年金」か「死亡一時金」が支給される

子どもがいない、子供が成人、結婚したなどの理由で 遺族基礎年金を受給できない場合は「寡婦年金」か「死亡一時金」のどちからを受給することができます。

「寡婦年金」と「死亡一時金」は、亡くなった人が第一号被保険者だった場合のみ支給される制度です。

サラリーマンである第二号被保険者や、専業主婦である第三号被保険者が亡くなったときは支給されません。


まずは国民年金のおさらい

国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全ての人に加入義務がある制度です。加入者は下記のように3種類に分類されます。

  • 第1号被保険者
  • 第2号被保険者
  • 第3号被保険者

種別により年金の支給額が異なります。

厚生年金保険の加入者は第2号被保険者となります。

以下は種別に応じて加入している制度と加入対象者をまとめた表になります。

種別 制度 対象者
第1号被保険者 国民年金
自営業、学生、無職の人など
第2号被保険者 国民年金
厚生年金
会社員、公務員など
第3号被保険者 国民年金 第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者



寡婦年金とは?

寡婦年金とは、 国民年金第1号被保険者の夫が死亡した場合に妻に支給される年金です。こちらは妻のみに支給される制度 となります。

寡婦年金を受給するには、以下の要件が満たされている必要があります。

  • 夫が10年以上保険料を納めている
  • 夫と10年以上婚姻関係にあった
  • 老齢基礎年金を受けたことがない


支給期間と支給額について

寡婦年金は、60歳から65歳までの間で受給することができます。

支給額は夫が本来受け取るはずだった老齢基礎年金の4分の3です。

老齢基礎年金は20歳から60歳になるまでの40年間の全期間保険料を納めた場合で、満額年に「779,300円」、月額にすると「64,941円」支給されます。

寡婦年金は老齢基礎年金4分の3なので「年額で58万円、月額で4万8千円ぐらい」が上限の目安となります。



死亡一時金とは?

死亡一時金とは、 国民年金第1号被保険者の方が死亡した場合に残された家族に支給される制度 です。

国民年金の保険料を「3年以上納めた人」が、老齢基礎年金・障害基礎年金の両方とも貰わないまま亡くなってしまった場合に支給されます。

死亡一時金の受給対象者は以下の通りです。この中で最も優先順位の高い遺族に支給されます。

  • 配偶者(夫・妻)
  • 父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

死亡一時金の支給額は 保険料を納めた月数に応じて12万円から32万円まで受け取れます。

また、付加保険料の納付が36月以上あった場合は、一律8,500円が加算されます。

年金保険料の納付期間 死亡一時金の金額
3年~15年未満 12万円
15年~20年未満 14万5,000円
20年~25年未満 17万円
25年~30年未満 22万円
30年~35年未満 27万円
35年~ 32万円

死亡一時金の手続きは、 国民年金の加入者が死亡した日から2年以内に行う必要がある ので注意してください。


Check!

遺族基礎年金・寡婦年金・死亡一時金はどれか一つしか受給できません。

①遺族基礎年金
②寡婦年金
③死亡一時金

↑の順でもらえる金額が大きいので、一般的には上記の優先順位で受給します。


厚生年金加入者が亡くなった場合は「遺族厚生年金」がもらえる

厚生年金とは、会社員・公務員が加入する年金制度です。その保険料は毎月の給与から天引きされるので、会社員や公務員であれば必ず加入している年金制度となります。


そして、厚生年金の保険料には国民年金の保険料も含まれています。

そのため、厚生年金に加入者している方は、 国民年金の「遺族基礎年金」と厚生年金の「遺族厚生年金」を組み合わせて受け取れる ということになります。


遺族厚生年金は誰がもらえる?

遺族厚生年金は遺族基礎年金とは違い、 子がいない配偶者でも年金を受け取れます。

受給の対象者は、

  • 配偶者(夫・妻)
  • 父母
  • 祖父母

となります。

受給者には優先順位が設けられていて、対象者の中で順位が高い人が年金を受け取れます。

以下の表に順位ごとの対象者と要件をまとめています。年齢制限もあるのでしっかりと確認しておきましょう。


遺族厚生年金の受給順位と要件(↓)

順位 対象者 要件
結婚していない18歳未満の子、または結婚していない20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子が受給できます。
年齢に関係なく受給できます。※夫の死亡時に30歳未満で子どもがいない場合、給付期間は5年間
妻の死亡時点で年齢が55歳以上であれば受給できます。
父母 死亡時点で年齢が55歳以上であれば受給できます。
結婚していない18歳未満の子、または結婚していない20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子が受給できます。
祖父母 死亡時点で年齢が55歳以上であれば受給できます。

例えば、「子」のいない夫婦が不慮の事故で亡くなった場合だと順位①は受け取れる方がいないので、受給対象者は順位②の父母となります。


遺族厚生年金はいくらもらえる?

遺族厚生年金は、 亡くなった方が本来受け取る予定だった老齢厚生年金の3/4を受け取ることができます。

正確な受給額の計算式はとても複雑なので、こちらでは年収別に受給額の目安をまとめます。

>>遺族基礎年金の計算方法はこちら

遺族厚生年金の受給シミュレーション(↓)

年収(月収) 受給額
240万円(月20万) 年:32万4,911円
月:約2.7万円
360万円(月30万) 年:約48万7,366円
月:約4.1万円
480万円(月40万) 年:約64万9,822円
月:約5.4万円
600万円(月50万) 年:約81万2,277円
月:約6.8万円
720万円(月60万) 年:約97万4,733円
月:約8.1万

具体的な計算式を知りたいという人は、日本年金機構のサイトにて計算式を確認してみてください。


遺族構成年金はいつからいつまでもらえる?

遺族厚生年金の受給期間も気になるところだと思うので、以下にまとめておきます。

対象者 受給できる期間
子供 死亡した日の翌月から18歳到達年度末まで (障害等級1・2級の場合は20歳年度末まで)
30歳未満の子のない妻は死亡した日の翌月から5年間のみ
30歳以上または子のある妻は死亡した日の翌月から一生涯支給
60歳から開始、一生涯支給
父母 60歳から開始、一生涯支給
死亡した日の翌月から18歳到達年度末まで (障害等級1・2級の場合は20歳年度末まで)
祖父母 60歳から開始、一生涯支給

※子どもや孫は定められた年齢に到達するまでが受給期間となります。

※妻、夫・父母・祖父母は60歳から支給が開始され、要件から外れない限りは一生涯年金を受け取ることができます。

※30歳未満で子どもがいない妻に関しては5年間だけの有期支給となります。


遺族厚生年金の注意点

遺族厚生年金は、受給期間が残っていても受給権がなくなる場合があります。受給権がなくなる例は以下の通りです。

  1. 受給者が死亡したとき
  2. 婚姻(事実婚を含む)したとき
  3. 直系血族及び直系姻族以外の養子になったとき
  4. 離縁によって、死亡した被保険者との親族関係が終了したとき

子どもがいない場合は「中高齢寡婦年金」が支給される

中高齢寡婦年金とは、厚生年金に加入している夫(国民年金第2号被保険者)が死亡した場合に妻に支給される年金です。

18歳未満の子がいない妻、または子が18歳年度末を迎えたため遺族基礎年金が打ち切りとなった妻に対して、遺族厚生年金に上乗せされて支給されます。

40歳~65歳までのあいだ年額58万5100円が遺族厚生年金に加算されます。


保険料に「未納」があると遺族年金がもらえないかも?

国民年金や厚生年金の保険料を払っていても、必ず遺族年金を受給できるとは限りません。

残された家族に迷惑がかからないよう、下記2つの納付条件を満たしているかしっかりと確認しておきましょう。

  1. 亡くなった日の2ヶ月前までの被保険者期間の中で、保険料納付期間と保険料免除期間の合計が、3分の2以上であること

  2. 亡くなった日の2ヶ月前までの1年間に保険料支払いを滞納していないこと



遺族年金だけで生活費は足りる?もしもの為にシミュレーションしておこう

年金制度はわかりにくいので、つい「まぁなんとかなるだろう」なんて気軽に考えてしまいますよね。

でも、もしあなたに何かあったとき、もしくは配偶者に何かあったとき、残されだ家族の生活費は十分に確保できているのでしょうか?

金額が少なく遺族の生活が成り立たないと感じるなら、生命保険で補うことを検討しましょう!


遺族年金シミュレーション(目安)

以下、年収480万円(月収40万)の夫が亡くなった場合のシミュレーションをまとめた目安表になります。

国民年金には「遺族基礎年金」の支給額を、厚生年金には「遺族基礎年金+遺族厚生年金」の支給額を記載してます。

環境 自営業、学生、無職の人
(国民年金)
会社員、公務員
(厚生年金)
18歳未満の子1人 年:100万4600円
月:約8.4万円
年:165万4422円
月:約13.8万円
18歳未満の子2人 年:122万9100円
月:約10.2万円
年:187万8922円
月:約15.7万円
18歳未満の子3人 年:130万3900円
月:約10.9万円
年:195万3722円
月:約16.3万円
子なし・妻40歳未満 支給されない 年:56万1107円
月:約4.6万円
子なし・妻40~64歳未満 支給されない
年:64万9822円
月:約5.4万円

※遺族年金の額は令和1年度のもの。最新の情報は日本年金機構のホームページでご確認ください

国民年金第1号被保険者が亡くなった場合

遺族基礎年金を受給できない妻は、60歳から65歳までのあいだで寡婦年金を受給することができます。支給額の上限は年額で58万円が支給されます。

>>寡婦年金についてはこちら


国民年金第2号被保険者が亡くなった場合

40歳~65歳までのあいだで、中高齢寡婦年金を受給することができます。支給額は年額58万5100円が遺族厚生年金に加算されます。

>>中高齢寡婦年金についてはこちら